こんにちは。くまどき夫婦です。
おいしいコーヒーを淹れれるようになるためには、コーヒー豆(粉)とお湯の量をスケールで計量する必要があると学んだ私たち。
さっそくコーヒースケールを購入しました。
購入したのはHARIOのコーヒースケール「ポラリス」。
購入したレビューはこちら。
その際に出てきたのが『抽出比率』の設定。
初心者の私たちには、はじめて聞くワードでした。

分からなければ調べるしかない!
と、初心者なりに調べてまとめてみました。
調べて、実際使って、分かったことは
ということ。
『抽出比率』を使うことで、自分好みの味を知る糸口が見えてきました。
抽出比率とは?

コーヒー粉量を1と考えた時の総湯量を測る比率。
ん??よく分からない。
つまりは、
コーヒー粉を1とした時に、どのくらいのお湯を必要とするか
ということです。
例えば、コーヒー粉が10gで、お湯の量が150gのときの抽出比率は1:15になります。
この比率を知っていると、自分が好きな濃度のコーヒーを楽しむことができます。
初心者夫婦の今までの淹れ方
ちなみに、私たち夫婦は今までサーバーのメモリを見てお湯を注いでいました。
それだと「これくらいかなー」と思って注いだ量と、出来上がったコーヒーの量が違うことが多々あるんです。
なので、出来上がったコーヒーにムラがあり「今日は少し濃いね」って日もあれば、「コーヒー薄すぎない?」って日もありました。
それはそれで楽しいのですが、

せっかくならおいしいコーヒーを楽しみたい!
というのが本音です。
ブリューレシオ
抽出比率のことをブリューレシオとも呼びます。
なんか、横文字で書いたり読んだりするとかっこいいですよね。
ちょっとコーヒーについて詳しい人って感じがします。
ドリップコーヒーの基準となるブリューレシオは1:16。
- 1:16〜18だとバランスの良い味
- 1:15以下だと濃いめの味
- 1:20だとあっさりした味
とされています。
抽出比率でコーヒーの味はどう変わる?
では抽出比率を変えるとコーヒーの味はどの程度変わるのでしょうか?
その味の差が初心者にも分かるのか、実際にずぼらママが淹れて夫婦で飲み比べてみました。
3パターンのコーヒーを用意
今回は以下の3パターンのコーヒーを淹れてみます。
①1:14
②1:16
③1:20
条件
HARIOコーヒースケール ポラリスにて抽出比率を設定しました。
各パターンのコーヒーとも出来上がりの量が200gとなるように粉の量を調整しています。
同時抽出はできませんでしたので、各パターンを順番に淹れています。
お湯の温度は一定になるよう、コーヒーを淹れるたびに再沸騰させ、約98℃のお湯を使用しています。
粉(カルディ スペシャルブレンド)と器具(無名の台形2つ穴)は3パターンとも同様の物を使用しています。
抽出方法
3パターンとも、井崎流ハンドドリップ式での抽出を行いました。
井崎流ハンドドリップ式を簡単に説明すると、
という淹れ方です。
試飲方法
試飲方法としては、それぞれ抽出直後と約30℃に冷めた状態の2つの状態で比べています。
本来ならば、同時抽出したものを同時に試飲できればいいのですが、器具の個数問題でそれができません。
なので、今回は
①抽出直後の出来立てコーヒーをその都度試飲
②冷めたコーヒーを3パターン同時に試飲
と2つの状態で飲み比べています。
結果と感想
見た目(色味)


正直なところ、色味に大きな違いはないように思います。
若干1:14の色が濃くて、1:20の色が薄いですかね。
味わい
色味の差が少なかったので、味わいに差があるのか不安でしたが、私たちにもちゃんと違いを感じ取ることができました。
1:14

ちょっと濃いかなー?
でもおいしいね。

思っていたよりも、苦みは感じないかも。
でもたくさんは飲めないな。
飲みすぎると胸焼けしちゃいそう。

冷めても味がしっかりと残っているね。
〈できたてコーヒー〉
- 味は少し濃い目
- 苦みはあまり感じない
- たくさんは飲めないかも
〈冷めたコーヒー〉
- 味がしっかりと残っている
1:16

おいしい。
「1:14」の味と似ているんじゃない?

コーヒーの香りを感じる気がするなー。

なんだか酸味を感じるよね?

冷めても美味しいね。
一番この味が好きだな。
〈できたてコーヒー〉
- 素直に「おいしい」
- コーヒーの香りを感じる
- 苦みはない
- 一番酸味を感じる
- 夫婦ともに一番好きな味
〈冷めたコーヒー〉
- できたてに比べると香りは落ちるが、おいしさは残っていた
1:20

これ、飲みやすい!

でも少し薄いんじゃない?

でもこれなら、たくさん飲んでも胸焼けしなさそうだよ。

冷めたら風味がなくなっちゃったね。

冷めたら薄く感じておいしくないなー。
〈できたてコーヒー〉
- 一番飲みやすい
- 香りや味など全体的に薄さを感じる
- たくさん飲んでも胸焼けしなさそう
〈冷めたコーヒー〉
- 全然風味を感じない
- はっきり言っておいしくない
感想・まとめ
飲み比べをする前は、

もしかすると1:14は濃すぎて飲めないかもしれないなー。

1:20なんて薄すぎてコーヒーの味しないんじゃない?
と思っていたのですが、3種類ともおいしく飲むことができたのに一番驚きました。
3種類ごとに私たちがおすすめする飲み時を紹介します。
1:14
何か甘いものを食べながら、少しずつコーヒーを飲むとき!
1:14の魅力は冷めても味わいが落ちにくいこと。
コーヒー単体で飲むと少し重たさを感じますが、甘いものと一緒であれば丁度いいと思います。
ゆっくり飲むことで最後までコーヒーの味わいを楽しめます。
1:16
いつでも!
1:16は一番風味や香りのバランスがいいです。
どんな食事とも、どんな場面にも合うオールマイティーなコーヒーなのではないでしょうか。
迷ったら1:16の抽出比率で淹れれば間違いないはずです。
1:20
何らかの作業をしているとき!
スッキリ・さっぱりした味わいの1:20は、勉強や読書の合間に飲むと作業の邪魔をしないと思います。
ただ、冷めると風味が落ちてしまいますので、たっぷりの量を淹れて、暖かい状態で飲み切るのがおすすめです。
抽出比率の選び方のポイント
初心者は、どのくらいの抽出比率がいいのかと聞かれても困ってしまうと思います。
私自身も、自分好みの味を探している真っ最中です。
そこで私なりの選び方のポイントをお教えします。
まずは基本の味を試す
まずは、基本となる1:16の抽出比率のコーヒーを飲んでみてください。
それで、濃いと感じるのか、それとも薄いと感じるのか、その時の感覚で次に淹れる時のコーヒーの抽出比率を調整しましょう。
もし1:16が濃いと感じるのならば、次に淹れるのは1:17や1:18にしてみる。
1:16が薄いと感じるのならば、次は1:15や1:14を試してみる、という風にです。
基本の味を飲んでもピンと来ない場合
もし1:16を飲んでも味がよく分からない場合は、抽出比率の違うコーヒーを2種類以上淹れてみてください。
私も1つのコーヒーを飲むだけでは「おいしい」という感想が真っ先に出るだけでしたが、飲み比べることで「こっちの方が好きだな」と自分のタイプが分かってきました。
イケメンを見た時もそうですよね。
1人だけ見ても「かっこいい」だけですが、2人居たら「私はこっちの方がタイプかも」って選ぶことができますよね。
コーヒーとイケメンを比べるなんて怒られそうですが、イケメンをタイプ別に連れてくるのは難しいですが、コーヒーならば自分の調整で自分好みのタイプを作ることができます。
もし、それでも「選べないー」ってときは、朝ならどのタイプがいいかな、甘いものを食べるときならどうかな?と条件をつけて考えてみてください(コーヒーの話ですよ)。
コーヒーの場合は好みを1つに絞る必要はないので、その時々に合った自分のタイプを選べばいいのです。
たとえば、「今日は大事な仕事があるから、目を覚ますためにも濃い目の1:14で淹れて、シャキッとさせよう」とか、「もう夕方で時間も遅いから、薄めの1:20にしておこう」のようにです。
そうすることで、『自分は気分に応じて1:〇~〇の間で抽出比率の調整を行う』という自分の基準ができるはずです。
有名バリスタのブリューレシオは?

では、本を出していたりテレビに出ている有名なバリスタの方はどの抽出比率で淹れているのでしょうか。
井崎英典氏
第15代ワールド・バリスタ・チャンピオンである、井崎英典氏の基本レシピは
お湯100gに対して豆6~8gです。
豆が6gの場合は1:16。8gの場合は1:12.5になりますので、
抽出比率に幅を持たせているのは、その人の好みによって調整をしてほしいからだそうです。
粕谷哲氏
粕谷哲氏は、2016年6月World Brewers Cup 2016にて日本人初の決勝進出、アジア人初の世界制覇を達成しています。
そんな粕谷哲氏が提唱している「4:6メソッド」は、コーヒー粉の15倍のお湯を使用します。
つまり、
粉量が20gであれば、300gの湯量が必要になります。
畠山大樹氏
SCAJ2019(スペシャルティコーヒー協会主催の催事)内で同時開催された競技会で史上初の同年度2冠の優勝を果たした畠山大樹氏のレシピは、
コーヒーの粉15gに対して、お湯230ccで淹れるというものです。

有名バリスタは抽出比率だけでなく、
お湯の注ぎ方や温度など、様々なこだわりポイントがあるから、
一度試してみたいよね。
こんな時は抽出比率に要注意
今まで抽出比率によってコーヒーの味わいが変化することを説明してきましたが、抽出比率以外にも味わいに影響する要因があります。
- コーヒー豆の産地
- お湯の温度
- 抽出時間
- 挽き目(粒度)
- 焙煎度
それ以外にもカップの形状で口当たりや香り方が変わってくるそうです。
それらが組み合わさることでコーヒーの味わいを出しているのですね。
なので、抽出比率を同じにしたからといって、コーヒー豆を変えれば同じ味にはなりません。
色々なヒトがいるように、コーヒーもそれぞれ。
まずは、基準となる1:16で淹れてみて、その後は抽出比率を変えたり、その他の条件を変えることで自分好みの味に調整してみてください。
きっと抽出比率が、あなたのコーヒーを見つける糸口の一つになります。
一緒に自分の一杯を見つけていきましょう。
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