こんにちは。くまどき夫婦です。
私たちは井崎流のハンドドリップを学び、抽出比率に気をつけることで、安定したコーヒーを淹れられるようになりました。
しかし、ここで新たな疑問が…。

コーヒーを2杯分淹れるには、どうしたらいいのだろう?
我が家では毎朝、2人分のコーヒーを淹れています。
1杯ずつ淹れるのは手間がかかるため、一度に2杯分をドリップしているのですが、1杯どりとまったく同じ方法でいいのでしょうか?
たとえば、井崎流の時間設定で2杯どりをすると、1杯どりとは違い、お湯が完全に落ち切る前に次の投湯を行うことになります。
これって大丈夫なの? 味に違いは出るの?
気になったので、初心者ながらに実験してみました!
検証方法
使用したコーヒー豆(粉)と器具
今回は、味の素AGFから発売されている「ちょっと贅沢な珈琲店 スペシャルブレンド」を使用します。

スーパーでよく目にしますよね?私たちも何度か購入したことがあります。
挽き方は中挽きです。生豆生産国はブラジル、ベトナム他となっていました。
ドリッパーはメーカー不明、台形2つ穴。2~4杯分用。もともと我が家で使用しているものです。
検証パターン
- 基準となる1杯どりで淹れていきます。
- その後、①1杯どりと同じ時間で2杯どり(以後、同じ時間2杯どり)
- ②お湯が落ち切ってから淹れる2杯どり(以後、落ちきり2杯どり)
上記の3パターン淹れていきます。
コーヒーの淹れ方は以前学んだ井崎流ハンドドリップ式です。
簡単に井崎流ハンドドリップ式を説明すると、
という方法です。
詳しくはこちらを見て頂ければと思います。
抽出比率は1:16。
1杯どりの場合は出来上がりが200gとなるように、2杯どりの場合は倍の400gとなるようスケールで設定しました。
結果・味わいの違い
抽出の様子・時間
1杯どり(基準) | ①同じ時間で2杯どり | ②落ちきり2杯どり | |
粉の量 | ![]() 12.5g | ![]() 25.0g | ![]() 25.0g |
1湯目 投湯後 時間 湯量 | ![]() 0:06 57.9g | ![]() 0:08 83.3g | ![]() 0:11 82.9g |
お湯が落ちきった時間 (かかった時間) | 0:36 (30秒) | 0:40 (32秒) | 0:41 (30秒) |
2湯目 投湯前 | ![]() | ![]() | ![]() |
2湯目 投湯後 時間 湯量 | ![]() 1:05 96.7g(38.8g) | ![]() 1:12 162.6g(79.3g) | ![]() 1:12 157.3g(74.4g) |
お湯が落ちきった時間 (かかった時間) | 1:30 (25秒) | ー | 1:45 (33秒) |
3湯目 投湯前 | ![]() | ![]() | ![]() |
3湯目 投湯後 時間 湯量 | ![]() 1:38 125.9g(29.2g) | ![]() 1:39 240.2g(77.6g) | ![]() 2:01 239.8g(82.5g) |
お湯が落ちきった時間 (かかった時間) | 2:00 (22秒) | ー | 2:38 (37秒) |
4湯目 投湯前 | ![]() | ![]() | ![]() |
4湯目 投湯後 時間 湯量 | ![]() 2:10 203.2g(77.3g) | ![]() 2:15 401.0g(160.8g) | ![]() 2:58 401.0g(161.2g) |
抽出後 時間 (かかった時間) 合計湯量 | ![]() 2:59 (49秒) 203.2g | ![]() 3:15 (60秒) 401.0g | ![]() 3:59 (61秒) 401.0g |
時間は1湯目投湯開始をスタートとし、その後経過時間を表示しています。お湯が落ちきった時間に関しては、カッコ内にその都度の投湯後から落ちきりまでかかった時間を計算しました。
湯量は投湯毎の累計の量と、カッコ内にその都度の投湯量を示しています。
1杯どり(基準)
本来、井崎流ハンドドリップ式で200gのコーヒーを淹れる場合、1~3投湯は20%量である40g、4投湯は40%量である80gのお湯を注ぐ必要があります。
今回、実は1湯目は57.9gと20%よりも多めのお湯(28%に相当)を注いでしましました。
2湯目は38.8gと、ほぼ20%量(40g)ですが合計だと48%量になってしまいます。
3湯目は29.2gで、少なめの量を注ぎ、合計62%量です。
4湯目を77.3g注ぎ、合計101%量の203.2g抽出を行いました。
投湯量に差が出てしまったため、落ちきりの時間も1湯目:30秒、2湯目:25秒、3湯目:22秒と多少のばらつきが生じています。
ただ、今回は主に、2杯どりの投湯時間が味にどのような影響を及ぼすのかを検証したかったので、1杯どりの淹れ直しはしませんでした。

やっぱりママはずぼらだなー。
①同じ時間で2杯どり
①同じ時間で2杯どりは、1~3投湯は77~83gで、落ちきる前に2~4投湯が始まっています。
つまり、ドリッパー内にお湯が残っている状態で次の投湯を行っています。
4投湯後のドリッパー内は、お湯がたっぷりの状態で撹拌作業がしにくかったです。
②落ちきり2杯どり
②落ちきり2杯どりでは、1~3投湯は約74~83g。落ちきりまで30~37秒かかっています。
①同じ時間で2杯どりに比べると抽出量は同じですが、合計時間は44秒も長くかかりました。
味の違い
基準をもとに、①同じ時間2杯どりと②落ちきり2杯どりの味わいを比較しました。

落ちきりで2杯どりした方は濃いね。
同じ時間で2杯どりの方がマイルドだな。

たしかに。
同じ時間で2杯どりの方がスッキリしてるよね。
1杯どりと味が似ている気がするなー。

落ちきり2杯どりは、後味が苦いな。
私は同じ時間で2杯どりした方が好き。

うん。毎朝飲みたいのは、同じ時間で2杯どりした方だね。
以下に内容をまとめています。
①同じ時間2杯どり | ②落ちきり2杯どり |
マイルド スッキリしている 1杯どりと味が似ている | 少し味が濃い 苦みを感じる |
私たち夫婦が朝に飲みたいのは、ともに①同じ時間2杯どりの方でした。
考察
抽出時間の違い
①同じ時間2杯どりと②落ちきり2杯どりでは抽出時間がトータルで44秒の差がありました。
抽出時間が長くなると、コーヒー粉からより多くの成分が溶け出しやすくなり、苦みや渋みが強くなることが考えられます。
一方、①同じ時間で2杯どりでは、お湯を続けて注ぐため、抽出時間が短縮され、苦みの原因となる成分が出にくくなった可能性があります。
過抽出の影響
コーヒーは、抽出時間が長くなるほど、苦みや渋みの原因となる成分が抽出されやすくなると言われています。
抽出では、酸味や甘み成分 → コクや旨み → 苦味・渋み の順番で溶け出します。

②落ちきり2杯どりでは、お湯が完全に落ちるまで待つため、粉とお湯の接触時間が長くなり、不要な苦み・渋み成分まで溶け出してしまった可能性があります。
特に最後の方では、お湯の流速が遅くなることで、雑味が出やすくなったのかもしれません。
まとめ

今回は、
- ①1杯どりと同じ時間で2杯どり
- ②お湯が落ち切ってから淹れる2杯どり
の2パターンで実際に淹れて味わいの検証を行いました。
同じコーヒー粉を使用し、同じ粉とお湯の量であっても、投湯のタイミングが違うと全然違う味わいになることが分かりました。
①1杯どりと同じ時間で2杯どりはマイルドでスッキリとした味わい、②お湯が落ち切ってから淹れる2杯どりは濃く苦みがある味わいです。
それには、抽出時間の違いと過抽出の影響があると思います。
②お湯が落ち切ってから淹れる2杯どりは、抽出時間が長く、お湯が粉に接している時間が長いために苦みや渋みといった雑味が多く抽出された可能性があります。

2杯いっぺんに淹れられるのは楽だよね。
洗い物の手間も省けるし。

でも、3杯以上だと変わってくる可能性もあるよね。
ドリッパーの容量の問題もあるかも。
今後
今回、検証を行い上記のような結果がでました。
しかし、その他の要素として
- フィルターの違い
- ドリッパーの違い
- コーヒー粉の粒度の違い
- 投湯スピード
などの条件によっても結果が違ってくる可能性があります。
今後もさらに検証を続けていきます!
また、抽出による味の順番があることがわかりました。
今度はこれを実際に試してみます!
ぜひお楽しみに。
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